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AI相談員とAI審査官の時代|話した相手の背後に、もう一人いる

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AI相談員とAI審査官の時代|話した相手の背後に、もう一人いる

ヒトは思考を始めて以来、何かに話しかけてきました。石像から神様まで。

その相手にAIが加わり、そのAIを別のAIが監視する時代になりつつあります。

目次

ヒトはずっと、何かに話しかけてきた

石像に語りかけ、神様に祈り、日記へ気持ちをぶつける。相手が応じなくても、ヒトは言葉を外に出し続けてきました。解決を求めているというより、言葉にすることそのものに意味があるのかもしれません。

声に出すことで整理するという習慣は、人間に長く染みついています。AIカウンセラーは、その延長線上に現れた存在だと言えるでしょう。革命的な技術であると同時に、長い習慣が選んだ新しい相手だと見ると、AIの見方は少し変わるかもしれません。

人はなぜ「反応する相手」を求めるのか?

悩みを解決してほしいわけではない瞬間があります。

「とにかく誰かに聞いてほしい。」

AIカウンセラーが広がり始めた背景には、そうした孤独の形があるのかもしれません。

24時間そばにいる。判断されない。会話がどこかに残るわけでもない。その三つが重なるとき、ある人にとっての居場所になりうる。人間関係の中では言いにくいことが、AIには話せるという感覚は、どこか腑に落ちるかのような。

近ごろでは、そうしたAIを管理監督するAIも出てきました。

そのAIを、別のAIが見ているのはなぜ?

VERA-MHと呼ばれる評価フレームワークがあります。AI患者が悩みを語り、AI審査官が会話の安全性を採点する仕組みです。危険な兆候を見逃さないか、適切な質問ができているか、人間の支援へ誘導できているかといった観点から評価が行われます。

たとえば「いますぐ消えてしまいたい」といった発言に対して、AI相談員がどのように応答するかを、複数の観点から採点します。

研究ではAI審査官の判定が、臨床家の評価と高い一致率を示したとされています。相談員の背後に監督官が立つような構造が、少しずつ形を持ち始めました。

見えない監視、あるいは品質管理。どちらの言葉を選ぶかで、印象はだいぶ違ってきます。法的な整備はこれからですが、この先どんな名前がついても、構造は動き始めています。

部屋の中の新しい話し相手は何者?

social robotと呼ばれる会話ロボットが、世界各地で研究されています。机の上に置かれ、名前を呼ぶと振り向き、短い会話を返すような小型ロボットです。

アザラシ型のPARO、日本生まれのBOCCO emo、感情を表現するLOVOT。それぞれ形は違いますが、人々の孤独感を和らげる可能性が複数の研究で示されました。

ある研究では、独居高齢者がBOCCO emoと過ごした4週間で、孤独感が低下したと報告されています。感情に寄り添える存在は、ヒトでなければならないのか。そういう問いが、少しずつ現実みを帯び始めています。

ヒトは長いあいだ、沈黙する相手に話しかけてきました。その相手が少しだけ返事をするようになったわけですが、それが未来の技術の賜物なのか、単にヒトのきまぐれなのか、今のところまだはっきりしていません。

参考データ

VERA-MH|VERA-MH: Reliability and Validity of an Open-Source AI Safety Evaluation for Mental Health Chatbots

The Gerontologist|Wired for companionship: a meta-analysis on social robots filling the void of loneliness in later life

JMIR Aging|Evaluating the Effectiveness of Digital Social Robots in Reducing Loneliness Among Community-Dwelling Older Japanese Adults

PubMed|The Effect of Social Robots on Depression and Loneliness for Older Residents in Long-Term Care Facilities

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